勝率 3 割程度でもしっかり利益が残る「資金管理」について
前回の記事では、FXは負けの方が多くて当たり前のゲームであり、野球のように打率3割=勝率3割あれば問題ないよ。利益はでるよ。という話をしました。
今回はそれを可能とする理論的な話です。
正直、実務的な話でいえばここは1番重要です。
本題に入る前に、大事な考え方を共有します。
FXはどこまでいってもギャンブル
というのも、100%の予測は誰にもできないからです。
このあと上がるのか、下がるのかが絶対にわかるのであれば、人類はみんな億トレになっており、貧困は存在しませんね。
以下の2つのチャートをみてください。
これは2024年9月27日のチャートです。
上の画像の時点だと、順調に上昇していて、このままいくと上昇トレンドが続くのかな~?と感じさせます。
ある程度やってる知識ある人ならわかるでしょうが、145.620らへんに指値買い入れたくなる雰囲気ですよね。
しかしこのわずか1時間以内に悲劇が起こります。
下の画像は、総裁選の結果をもってして、1時間足らずで300pips急落したところです。(ピンク〇のところ)
”石破ショック”としてTwitter上では大騒ぎでした。
さて、これ誰か「絶対こうなる」と予測し、てっぺんで売れた人はいたでしょうか。
まあこんな感じで、この先上がるのか下がるのかって、わからないんです。
絶対わかるって人がいたら、詐欺師か未来人かインサイダーです。
つまり、極論言えばFXはギャンブルです。
それはとどのつまり、負ける可能性の方が基本的に高いゲームなんだということです。
野球もそうです。ピッチャーが何の球種を投げてくるかなんて確実な答えはわかりません。
だからバッターは予想をしますが、ハズレの可能性が高い。だから空ぶったり三振になる確率の方が高いのです。
だから大谷翔平でも打率3割ちょいなんです。
だから勝率50%とか60%を目指すと、しんどくなるんです。
だって、そうならない可能性の方が高いから。
これが「なんで勝てないんだ…!」としんどくなってしまうことの理由です。
なので、勝率は 30 %位を想定している方が”現実的”なのです。
まずはこの前提を抑えておいてください。
で、要はそれでも利益がでるように立ち回ればいいわけです。
そこで出てくるのが資金管理です。
あなたのトレードのリスクリワード比率、破産確率は?
と聞かれて、パッと回答できなかったら、あなたの証拠金がなくなるのは時間の問題です。
資金管理は手法やら何やらよりもはるかに大事です。
トータルで負けないようにする堅実なFX取引の要です。
ちなみに、僕のリスクリワード比率は 1 : 4 で、破産確率は1%程度です。
リスクリワード比率
結論だけいえば、リスクリワード比率が高い方が楽に利益が残ります。
多くの人は、損失と利益のバランスが悪いが故に、勝率重視になります。
でも結果として、負ける可能性の方が高いわけですから、そこにあるのはヒリヒリとしたストレスフルなトレードに必然的になります。
以下に例をのせましょう。
例① 損失 1:利益 1 の場合で10回トレード
損切:-9pips×4回=-36pips
利確:+9pips×6回=+54pips
勝率 6 割で差し引き利益として +14pipsです。
例② 損失 1:利益 4 の場合で10回トレード
損切:-9pips×7回=-63pips
利確:+36pips×3回=+108pips
たった勝率 3 割で、差し引き利益として +45pipsです。
お気づきのように、例②の方が、勝率が低いのに3倍以上の利益がでていますよね。
なんなら2回しか利確できなくても、マイナスにはなりません。
僕が今、年間で負けないようになっているのは、まさにこの例②のようなトレードをしているからです。
さて、例①と例②、どっちのほうが再現性高そうでしょうか。
もっと言えば、どっちの方が楽そうですか。
破産確率
あなたのトレードの破産(証拠金がなくなる)率です。
例えば証拠金が50万として、1回のトレードで負けたら-15万…みたいなトレードしてたらどうですかね。
単純に考えて、割とすぐめに証拠金が溶けちゃいそうではないでしょうか。
3回負けたら5万円しか残りませんし。
でも3連敗とか、FXなら割と普通にありますよね。
このあたりは、バルサラの破産確率の表が役に立ちます。
細かい計算式は複雑なので説明しませんが、横軸の勝率と、縦軸の損益率が交わるところがあなたの破産確率です。
上の画像は、1回の負けで資金の10%を失うとしたら…で計算しています。
さっきの例①のように、損益率が1だと、勝率50%でも99.9%破産するのです。
これ、把握してましたか?勝率ジプシーのみなさん。
僕の場合は、勝率が30~40%なので間を取って35%として、損益率が4なので、上の画像の計算では破産確率は3.5%になりますね。
でも個人的に、もっと下げたいな?と思ったので、少し工夫をしています。
↓の画像をみてください。
これは、1枚目のバルサラの破産確率表と計算式自体は変わってませんが、1回のトレードで追うリスクを証拠金の5%に引き下げています。
つまり、50万の証拠金なら、1回のトレードで負けた場合の損失を25,000円にするってイメージ。
これでも、例①のようなトレードは勝率50%あっても99.8%破産しますね…。
で、例②、つまり僕の取り入れてる取引の計算だと、勝率35%で損益率4とすると、破産確率は0.2%となります。
仮に勝率30%としても、1.5%。限りなく低くなりました。
このことからわかるように、僕は実際にリスク5%でトレードするようにしています。
つまり、破産確率は0.2~1.5%と限りなく低い状態で、勝率30%あれば利益が残るというデータの元、その期待値を繰り返しているわけです。
精度がより上がり、勝率が40%割らなくなればリスク5%なら破産確率はゼロだし、リスク10%にあげても1.2%に収まります。
(ここを今目指しています)
なので、多少連敗してもメンタルが動じることもなく淡々と同じ気持ちで打席に立てるわけです。
厳密に言えば「想定最大連敗数」というデータをとって、自分がマックスで何連敗する可能性があり、それに耐えられる資金量とlotはどれくらいかを逆算するなどもしていますが、それはまた別の機会に触れます。
とにもかくにも、この記事でしっかり認識してほしいのは、資金管理がFXにおいて圧倒的かつ最大に重要である…ということです。
それが、前回の記事で言っていた7割は打てない、しかしそれでも大丈夫ってことがデータで理解できている…という状態です。
証拠金を守ることが最重要ミッション
手法がどうだ…エントリーが…通貨ペアが…とかそういうのは枝葉末節な話。
1番大事なのは、証拠金を守ること=資金管理です。何度だっていいます。
なぜなら、証拠金がなくなればトレードができなくなるからです。
会社でいえば資本金、家計でいえば貯蓄です。
証拠金を失ったら、また証拠金を作るところからやり直すハメになります。
物価や税金がひたすらにあがるのに、所得が一向に増えない現代で、余剰金を作りストックする…。
そのしんどさは、私もあなたも体験してきたと思います。
ご家族がいて、支出が多くなりがちな方はなおのことです。
負けるのはいいんです。
しかし証拠金を溶かすようなことはあってはなりません。
僕が勝つことよりも「負けない堅実なFX」を推奨しているのはそういうことです。
FXでは、防御こそ最大の攻撃です。
この記事の最後に、世界三大投資家のジョージ・ソロスの名言を置いときます。
「まずは生き残れ 儲けるのはそれからだ」
次の記事では、ここまでの記事で学んだ「7割は負けるが資金管理で勝率3割でもしっかり利益を残すゲーム」で、どうしたらそれを再現性高く繰り返すことができるのか?というトレードそのものにおける重要なことを書きます。
記事はこちらです>>あなたFXに「再現性」をもたらす、ルーティン化について