あなたのFXに「再現性」をもたらす、ルーティン化について
さて前の記事では、「7割は負けるFXというゲームで、勝率3割でもしっかり利益を残すための資金管理」についてお伝えしました。
が、勘のいい方であればこういう疑問が生まれたんじゃないかなと。
「資金管理の重要性はわかった。でも、その資金管理(データ)の通りに事が運ばないこともあるんじゃないの?」
こう感じられた方はとてもセンスがあります。
その通りです。
確かにデータ上ではリスクリワード比率は4で、勝率35%なので破産確率は1%と限りなく低い…となっていても、それがその通りに行くかどうかはまた別の話です。
日常でも計画通りにいかないことの方が多いわけですから、FXなんてもっと計画通りにいきません。
だって、チャートは天気や災害みたいなものです。コントロールが効きません。予想外の連続です。
シンプルに考えて、雑にトレードしたら10連敗でおじゃん…ってこともあるわけですし、予想外の急激な動きで思わぬ損失を被る…なんてことも全然あります。
じゃあ、そんな予想外でコントロールできないものを相手にこちらができるものってなんでしょう。
答えは簡単です。自分の立ち回りです。
自分の立ち回りは自分でコントロールができます。
僕らが相対するのはいわゆる変数のバケモノです。
じゃあ僕らがするのは、なにか。
これが、自分の変数をなくす。つまり規則化(ルーティン化)です。
これがあなたのトレードに「再現性」をもたらします。
一流のスポーツ選手はみんなルーティンを持っている
基本的に、スポーツは変数だらけですよね。
だから、一流選手はすべからく自分のルーティンを持っています。
自分の行動をルーティン化(規則化)することで、自分自身の変数をなくし、常に一定の状態でいるわけです。
だから、ここぞというときにパフォーマンスが発揮できるのです。
野球を想像してみてください。
例えば日本人なら誰もが知っている大リーガーのイチロー。
イチローはこのルーティン化のプロであり、だからこそ大リーガーになれたといえます。
イチローで有名なルーティンは以下のようなものがあります。
- 朝カレーなど、食べるものや着るものをルール化し、日常の不確定要素を減らしノーストレスの状態にする
- 打席に入る際も決まった動きをする
- (高校生の時)寝る前の10分、必ず素振りを欠かさず行う
- 道具はいつも同じものだけを使う
- 運転中も同じ音楽を聴き続ける
つまり、打席に入るまでを常にテンプレ化しておくことで、常に一定の状態で打席に立っているということです。
これはビジネスの世界でも、Apple創業者のスティーブ・ジョブズも似たような要素がありますね。
彼は常に同じ服をきていたことは有名です。
ルーティン化とは、要するに自分を型にはめるということです。
自分の生活、トレード手法などなにからなにまで型を作り、その通りに動く。
徹底的に自分の変数を排除する。
変化する環境の中で、自分自身は固定化することで、いい意味で変化に付き合わないということです。
ワタワタしない。この効果があります。
雨が降ったら傘をさす
夜寝る前に歯を磨く
朝起きたら顔を洗う
これらは思考停止状態でもやってしまうパターン化された行動です。
FXも、こうしてしまえばいいわけです。
あなたのFXにルーティン(規則)はありますか?
僕らでいう打席は、エントリーするときですね。
さて、ここで問いますが、あなたが打席(チャートに向かうとき)はどうでしょうか。
- 空いてる時間に”とりあえず”チャートを見てませんか?
- チャートに向かう際の感情は一定ですか?
- 睡眠時間がバラバラなど、リズムのよくない生活をしてませんか?
- いつもエントリーする形が異なってませんか?
- いつも決済する値幅が異なってませんか?
- いろんな通貨ペアを眺めてませんか?
勝てていない多くの人は、上記がすべてバラバラです。
チャンスを求め、日夜問わず手があけばチャートを眺めてしまい、良さそうな形があればエントリーをする。決済する値幅やlotはその都度変わっている。通貨ペアも、なんとなくいい形のでているペアがあればそれをやる。
僕もそんな感じでした。
ルーティンなどなく、とにかくチャートに向かう。とにかく打席に立つ。睡眠不足で頭がぼんやりしてようがチャートをみる。トレードする。結果として、負け続けました。
変数だらけのFX×変数だらけの自分の行動…。
そりゃ一定の結果はでないよねって簡単な話です。
参考:僕のルーティン(一部抜粋)
- チャートに向かう時間、エントリーは東京時間のみ。夕方以降チャートは見ない
- 朝の8時半~9時の間にコーヒーを飲みながらチャートの分析。この時間でその日入るか入らないかだいたい決まる
- 9時~9時半まではトレード練習。野球でいう素振りの時間
- 手法についても、入る形やそのためのトリガー、決済条件はすべて一定。
- 夜は22時には就寝する。
生活リズムも、チャートに向かう時間やその前の行動も、手法もすべて「規則」があり、それに従っています。
規則からもしずれた場合、その日はもうリズムが崩れたとしてチャートは開きません。
例)
繁忙期に思わぬ残業があり、睡眠不足で朝起きたあと異常に眠い⇒判断力が正常ではないので打席には立たない。その日はリズム取り戻すことに注力。
また、自分の手法で決めた「形」にならなければ徹底的に見送ります。
自分が打席に立つときは、自分が整っている状態が前提で、自分がスイングするときは、自分の狙った球種が来たときだけです。
変数だらけのチャートに付き合わず、自分の行動パターンを一定にすればいいのです。
僕の例でいえば、僕は在宅勤務の仕事のため東京時間のみモニターでチャートをひらいています。ポジションもったまま寝ると睡眠の質が落ちたため、あくまでデイトレにしています。
じゃあ東京時間~寝る時間に動く値幅ってどれくらいなの?というデータから、決済幅を決めています。
あなたの仕事的に「必ず毎日この時間はPC使うよね」って時間にチャートに向かえばいいだけです。
FXは24時間動きますが、24時間体制でエントリーする必要性なんてありません。
どこでやるのか?どうなったらやるのか?自分でルーティン化すればいいんです。
まずはあなたの生活リズムから、いつFXに取り組むのかなどの規則を作ってみてください。
手法は後回しです。正直言えば手法は本当になんでもいいです。
そしてそのルーティンを徹底する。次にそのルーティンを徹底することを徹底する。
FXが野球よりルーティン化の威力がエグい理由
ルーティンルーティンうるさいなって思うかもしれませんが、FXにおいてはこれほどまでに威力のあるものを僕は知りません。資金管理の次に大事なのがルーティン化です。
なぜルーティン化があなたのトレードに「再現性」をもたらすのか、その答えです。
それが、FXは意思を持たないということです。
FXの場合は手法もルーティン化すべき。
野球で例えると、同じスイングしかしてこない打者や、ストレートのみに狙いを定めている打者ってどうですか?
投手としてはめちゃくちゃ狩りやすいと思うんですよ。
だって、スイング的に打ちにくいところにストレート以外を投げればいいから。
こんな感じで、野球だと相手も人間なので、同じことしかできないと「分析・研究・対策」され、いいカモにされてしまいます。
でも、僕らトレーダーが相対するチャートは人間ではありません。意思がないのです。
チャートは僕らの様子を見て「お、こいつストレートしか売ってこないやん!よしゃいっちょカーブなげたろw」なんて分析などはしません。
チャートさんがカーブを投げてくるときは、僕にもあなたにもどこかの国のボブにも、同じカーブを投げてきます。
野球のように打者によって球種を変えたりはしてきません。
あくまで ” 僕らが ” 、チャートさんが投げてきたカーブにどう動くのか?になるわけです。
だから、あなたがストレートしか打てないなら、カーブは見送ればいいんです。
あなたがストレートしか打たないと決めてるなら、ストレートが来た時にバットを振る(エントリーする)だけでいいんです。
別に見送りまくったからといって、監督に「おま、バット振れや!!!勝負しろや!」と言われることもないですし。(笑)
自分にとっての絶好球が来たときだけ動く。
あとはその時になるべく良いヒットができるように精度を高める。
こういった " 狙い撃ち " が有効なのが、FXにある優位性です。
" 同じことしかできないやらない " が通用するのが、FXです。
サラリーマン的にはこれだと使えない奴って言われますが、FXではむしろその方がいいのです。
なので僕も、決めた形がきたときしかエントリーしません。
朝の分析の時間時点で「これ今日は形こないやろ」と思ったら、もうその日は営業終了します。
毎日、決まった時間に決まった行動でチャートに向かい、決まった形でのみエントリーする。
①時間
②手法
③行動
この3つをルーティン化することで、常に同じことを再現するわけです。
そうすることで、再現性も当たり前ですが高くなります。
その結果、よくあるムダなトレードが減ります。よってムダな損失も減ります。
自分の絶好球の身に狙いを定めるので、絶好球の勝率という純粋な数字が見えてきます。
じゃああとは絶好球のみの勝率から、どれくらいのリスクリワードにすべきなの?というより詳細な資金管理ができるようになるわけです。
絶好球の際のチャートのクセ的なのもつかめてくるので、どんどん精度を高めることができます。
あれこれ難しいことをやる必要性はないのだということです。
FXの世界では、工場でひたすらパンに具をのせ続けられる人が最強
ビジネスの世界だと、複雑なことをあれこれ臨機応変に対応できる人が重宝されますよね。マルチプレイヤーというか。または一分野に突出した人ですね。
しかし、FXの世界の場合は、単純なことを毎日同じように黙々と続けられる…という単純労働者(ルーティンワーカー)の方が強いです。
言われた通りに毎日なん回なん十回なん百回とパンに具をのせる。
繰り返す中で「こう乗せた方がおいしく見えそうだな」とか「もうちょいこう動いた方が腰痛くなんないな」という小さい発見から、単純労働の質をあげていく。
それでいいんです。
色気とかいらないんです。ただ単純なことをシンプルにやる。繰り返す。
「こういうインジゲーター追加したらいんじゃね?」という余計なことを考えない。
用意されたものだけをシンプルに使うんです。
すごく極論をいえば、感情を消して機械みたいに動けるほうがいいんです。
相手は人間ではないので、こっちが感情的になっても意味がないわけですから。
第1に自分の中にルールを作り、そのルールを守ること。
第2にそのルールを守るというルールを守ること。
投資の神様であるバフェット氏の以下名言をもじりました。
【ルール1】絶対にお金を損しないこと
【ルール2】絶対にルール1を忘れないこと
これができるようになってから、どんな有名な億トレの手法をやっても負け続きだったトレード成績は一気に改善したので、強くおすすめします。
さて、ここまで読んでこう思った人もいるのではないでしょうか。
「勝率3割でも破産しない資金管理をして、決まった形で入るように手法をルーティン化して、生活もルーティン化するならシストレでよくね?」
次の記事では、シストレは絶対に避けるべき理由をお伝えします。
次の記事>>シストレ(EAやトラリピ)は絶対にやめておけ